夏の味覚、ウナギの価格が高騰する中、東京大学などの研究グループは、生態に謎が多かった天然のニホンウナギの卵の大量採集に成功し、報道関係者に公開した。夏の味覚、ウナギの価格上昇が止まらないという。東京・中央区のうなぎ専門店「ひつまぶし名古屋備長 銀座店」では、5月からうなぎ料理を80円値上げした。養殖用の稚魚である、シラスウナギの2010年春の漁獲量が激減し、養殖ウナギの卸値が上がっているため。ひつまぶし名古屋備長 銀座店の佐野弘敏料理長は「ここ数カ月で、そうですね、(1kgあたり)500円とか600円上がってますね。去年と比べると、(1kgあたり)1,000円近く違っていると思うんですけど」と話した。こうした中、10日、ウナギに関する朗報が舞い込んできた。小さな容器に入っている、白く丸いもの。これは、これまで目にすることができなかった、天然のニホンウナギの卵。天然のニホンウナギの卵の採集に世界で初めて成功した東京大学などの研究グループが、今回は、グアム島から西のマリアナ諸島沖で採集したおよそ150個の卵を取材陣に公開した。東京大学大気海洋研究所の塚本教授は「遺伝子解析で、ものすごくいろんなことがわかってくると思います」と話した。今回の研究では、ウナギは水深150〜180メートルの海域で産卵し、新月の2〜4日前の日没から午後11時ごろまでの間に、ほぼ同じ海域で産卵することがわかったという。謎が多かったウナギの生態を卵から研究することで、ウナギの安定供給の切り札となることが期待されている。