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〈フ・ダン・ギの温泉街〉福島・飯坂温泉 くつろぐ和風の景観、町ぐるみで
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〈フ・ダン・ギの温泉街〉福島・飯坂温泉 くつろぐ和風の景観、町ぐるみで
■宴会型から個を重視に 「5年前と全く違った飯坂の風景になってきた。これからも住民とお客様のためのまちづくりを進めていきたい」 福島市の飯坂温泉で旅館を営む遠藤孝秀さんは3月29日、温泉街での式典でこう誓った。地域おこしを工夫している団体に贈られる国土交通省の「手づくり郷土賞」授賞式。「歴史といで湯」がテーマの街づくりが認められ、全国17の受賞地のうち、東北で唯一選ばれた。 遠藤さんが会長を務めるのが、「飯坂町周辺地域づくり協議会」。旅館、商工会、町内会などが協力し、町内一体で街づくりを進める組織として2006年に生まれた。 協議会は、温泉街を和風の景観で統一する活動を進めている。奥州3名湯の一つに数えられ、松尾芭蕉が立ち寄ったと伝わる地。歴史ある建物や橋が数多くあるため、石畳風の舗装や景観に合った街灯を整えた。街路には花を植え、つぶれた旅館の前に一服できるベンチを設け、街並みを楽しめるように工夫した。 住民にも協力を依頼。自らの家や店舗を和風に衣替えする「まちづくり協定」を住民間で結んだ。建築物はコンクリートから木材へ、屋根には瓦、看板は木製に、などとの約束事だ。強制力はないが、200万円を上限に市が費用を補助する制度もあり、改修の実績は40件超にのぼる。 飯坂はもともと団体客の多い歓楽温泉街で、景観への配慮は少なかった。団体客が着くと花火があがり、大型旅館になだれ込む。夜の2次会のスナックから翌朝のみやげまで、大型旅館内が一つの街のようになり、旅が完結した。 しかし、団体離れが進み、73年に178万人いた観光客は、今や90万人を割った。にぎわいを取り戻すには、個人客も楽しめるような街にする必要性に迫られている。遠藤会長は「全国の温泉地がだめな訳でなく、横ばいや右肩上がりの地もある。歩いて楽しめる200メートル四方の空間を持つ地域がうまくいっているようにみえる」と話す。 温泉街中心地の共同浴場「鯖(さば)湖湯」そばに5月、地域ゆかりの豪商の「旧堀切邸」が開業する。当時の屋敷を再現し、足湯や手湯なども楽しめる施設。更に11年秋には、かつて焼失した旅館跡地に新たな共同浴場「波来(はこ)湯」が完成予定。温泉街が取り組む施設整備は、一段落する。 これからは街並みを案内するボランティアガイドの養成など、飯坂の持つ人的な資源がより問われる。飯坂温泉観光協会の安斎忠作会...
Video Length: 59
Date Found: July 27, 2010
Date Produced: October 04, 2004
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