９日午前１０時５０分ごろ、長崎県対馬の上空を飛んでいた福岡発対馬行き全日空４９３３便（ボーイング７３７―５００型機）の片側エンジンに不具合が起きた。同機は福岡空港に引き返し、午前１１時１５分ごろ緊急着陸した。乗員乗客計１３２人にけがはなかった。エンジン近くから炎が上がったと複数の乗客が話しており、全日空は機体を点検して不具合の原因を調べている。　引き返した同便は欠航になったが、全日空によると福岡発の対馬便はお盆休みを控えて１４日までほぼ満席。一部の乗客はフェリーに乗り換え、航空券のキャンセルを待つ人もいた。　両親の墓参りに行くという東京都の会社員男性（６０）は「エンジンがガタガタと音を立て、外れてしまうのではないかと思った」と話した。福岡市東区の小５男児（１０）は祖父母宅に向かう途中で「窓から見たら羽の所に赤い火が見えた」と緊張した面持ちだった。１歳の息子を連れて夫の実家に向かっていた愛知県の女性（３０）は「１年に１回しか義父母に会えないので、フェリーを使ってどうにか行きたい」と疲れた表情で話した。