参議院の予算委員会で7日、海江田経産相は、現在停止中の原発の再稼働問題をめぐり、政府が方針を転換し、地方が反発していることへの責任を取り、将来的に辞任する考えを示唆した。九州電力玄海原発の再稼働をめぐり、自民党の礒崎陽輔議員は、6月29日に海江田経産相が現地で再稼働受け入れを要請し、地元の玄海町長が了承していたにも関わらず、6日になって、菅首相が全国の原発に新たに安全検査「ストレステスト」を行うと方針転換したことの責任を追及した。7日午前、自民党の礒崎陽輔議員は、「海江田大臣、あなたは一生懸命がんばっているんだと思いますよ。だけど、一生懸命がんばっても、あなたのやったことをこんなに総理にポンポンひっくり返されたら、大臣をやっていても仕方がないでしょう。佐賀県の人に対して、あなたはどういう責任を取るんですか。腹を切るべきじゃないですか、お辞めになったらどうですか」と述べた。海江田経産相は「いずれ時期が来ましたら、私も責任を取らせていただきます」と語った。海江田経産相は言葉を詰まらせ、政府の原発再稼働をめぐる方針転換の責任を取って、将来的に辞任する考えを示唆した。また、公明党の荒木清寛氏の質問に、海江田経産相は「玄海に行った時点で、安全性が確保されているとお願いした。申し訳ないと思っている」と、再稼働の要請をいったんは受け入れる姿勢を示していた地元自治体に対し陳謝した。一方で菅首相は、全国の原発の安全性を評価するストレステストなど、新たな基準策定の重要性をあらためて強調し、原発行政全体の見直しの必要性にも言及した。菅首相は「定期検査について、経産省の安全・保安院が一定の判断をして、経産大臣がOKをすれば、それでいいということになっておりますけれども、私は今回の大事故をふまえて、安全性をきちんと確認するには、ある意味でこれまでのやり方では国民の理解は得られない」と述べた。一方、菅首相は、8月6日と9日に広島と長崎で行われる原爆犠牲者の追悼式に、「万難を排して出席したい」と述べるとともに、衆議院の解散・総選挙に踏み切る考えがあるのかとの質問に対しては、「憲法上認められた権限の中で、全力を挙げて仕事をしている」と語り、解散の可能性を排除しなかった。