大相撲の八百長問題で、日本相撲協会は、特別調査委員会が八百長に関与したと認定した20人以上の力士や親方に、引退勧告などの処分を直接言い渡した。八百長問題の発端は、野球賭博に関与した力士の携帯電話のメールに残っていたやり取りからだった。日本相撲協会は、7人の外部有識者による特別調査委員会を立ち上げ、真相究明に取りかかった。しかし携帯電話の提出などが遅々として、調査は進まなかった。八百長問題の解決なくして本場所開催は「なし」。協会執行部は、2月6日に大阪で開催予定だった春場所の中止を決定した。八百長メールが発覚してからおよそ2カ月。八百長に関与した力士親方の処分決定など、大きな節目がようやく訪れた。1日朝、放駒理事長は厳しい顔で国技館へと向かった。多くの報道陣が詰めかけた国技館。1日は午前9時から理事会に先立ち、特別調査委員会が予定されていたが、理事会への報告内容をまとめるため、2時間早く午前7時から開始された。3時間に及ぶ詰めの作業。特別調査委員会では、八百長に関与した者をリストアップし、午前10時半からの理事会に報告した。調査委員会の処分案が出され、最終決断は理事会に委ねられた。特別調査委の望月 浩一郎委員は「処分は今、理事会でこれから決めます。(調査委として)提案はした」と語った。午後2時前、八百長への関与を認定された力士らが、弁明のため、続々と国技館に呼ばれた。竹縄親方は、国技館に入る前、「決意はしっかりしています」と話していた。1日、国技館に呼ばれた力士親方らは、メールで名前が挙がっていた人数を大幅に上回る23人だった。引退勧告や退職勧告など厳しい処分が、直接言い渡された。そして、理事会での弁明もかなわず、処分を通達された親方と力士は不満を口にしていた。谷川親方は「納得いかないですよね。訴えますよ」、春日王は「ちゃんとした調査もやってないで。納得できないですよ。ショックなので。僕はやっていないので」、若天狼は「不服な部分はいっぱいありますし、処分に関しては納得していない」、保志光は「証拠もないのに、クロって言えるんですかね」、白乃浪は「やってないものはやってない。あっさり切られるということ、本当に頭に来ますね」などと語った。八百長問題は全容解明に一歩前進。しかし望月委員は、「少なくとも積み残しがあるのは間違いない。シロかクロか決めなくてはいけない」と語った。今回出されたの...