日本女子柔道界にニューヒロインが誕生しました。目標を聞くと、「オリンピック出場」を飛び越え、「オリンピック連覇」と答えた山本 杏(あんず)選手、15歳の素顔に迫りました。「買い物とかよく行くんですけど、女子トイレに行こうとすると、周りの人が『えっ!?』みたいな」と、トレードマークの髪型の話で笑わせてくれた山本 杏選手(15)。山本選手は2009年の講道館杯で、初出場ながら次々と全国の強豪を倒し、表彰台にのぼった。白帯中学生の快挙に、「ニューヒロインの誕生」と、一躍注目が集まった。山本選手は「オリンピックに出て優勝して、また次のオリンピックとか出て、連覇できるように頑張りたい」と語った。山本選手は4歳で柔道を始め、中学3年間は部活と週4日、道場で練習。家に帰るのが、午後11時をすぎることもあった。世界で勝ち続ける選手になるため、負けず嫌いの山本選手は、人一倍努力してきた。朝飛 大師範は「彼女(山本選手)の良さは、失敗しても試そうとする。強気なんでしょうね。失敗してもしょうがないというくらいの開き直りがあるんじゃないか」と語った。そんな山本選手も、柔道着を脱ぐと普通の中学生。クラスでは輪の中心で、笑顔が絶えない。お昼時間、山本選手のお弁当は少量だった。翌週に試合が控えていたため、減量中で、少しでも食べるのを遅くするため、利き手とは逆の左手で食べる徹底ぶり。しかし、まだまだ食べ盛りの山本選手。試合が終わって食べたいものを聞くと、「から揚げ、ハンバーグ、グラタン、ステーキ、ラーメン、チャーハン」、「体重が増えたら自分の責任だから...。今、おなか鳴った」と話した。決して弱音を吐かず、どんなときも明るい前向きな気持ちが、山本選手の強さにつながっている。　3月に中学を卒業した山本選手は今週、世界選手権代表の座を争う大事な試合が控えていて、夢へ向け新たなスタートを切る。それでも、山本選手は「ロンドン(五輪)はあんまり意識してない。しっかりやることをやってから、(五輪を)目指していきたい」、「(理想の柔道家を100とすると、今は何%?)まだ、半分にも達していない」と話した。無限の可能性を秘めた15歳。山本選手は、貪欲(どんよく)な姿勢で、一歩ずつ前に突き進む。