停止中の原子力発電所の再稼働をめぐる混乱を受け、枝野官房長官は、11日午前の記者会見で、EU(ヨーロッパ連合)の「ストレステスト」を参考にした日本独自の安全評価の実施を、再稼働の条件とするなどの国の統一見解を発表した。枝野官房長官は午前11時すぎ、「欧州諸国で導入されたストレステストを、十分に参考にしてまいります」と述べた。統一見解の発表に向けては、11日朝も、海江田経済産業相や細野原発担当相らが最終的な調整を行った。枝野官房長官が発表した統一見解は、EUで実施されているストレステストを参考に、「新たな手続き・ルールに基づく安全評価を実施する」ことが明記された。実施は2段階で行われ、1次評価では、定期検査で停止中の原発の運転の再開の可否について判断するため、設計段階の想定を超える地震や津波などに対して、どの程度の安全や耐久性があるかを表す「安全裕度」について評価することとしている。また2次評価では、稼働中の原発について、継続か中止かを判断し、1次評価の対象となった原発を含め、すべての原発を対象に、総合的な安全評価を実施するとしている。