天才バレエダンサーの人生を描いた映画「昴―スバル―」の完成報告会見が２日、行われ、主演の黒木メイサさんらが撮影を振り返った。（アサヒ・コム編集部）　「昴―スバル―」は、１９９９年に「ビッグコミックスピリッツ」誌上で連載を開始して以来、人気を集めている漫画「昴」が原作。小学生のころに病気で双子の弟を失い、心に深い傷を負った天才バレエダンサーの主人公、宮本すばるを演じるのが黒木メイサさんだ。　黒っぽいシックなロングドレス姿でステージに上がった黒木さんは、撮影を振り返り、「常にプレッシャーや不安を抱えていました」。ダンスは得意だったものの、これまでバレエの経験はなかったという。　つらい過去を背負いながらも力強く生きる天才バレリーナである主人公のキャスティングは難航した。エグゼクティブ・プロデューサーのビル・コンさんは、初めて黒木さんの演技を見て「やっと私たちのすばるが見つかった」と直感し、すぐに起用を決めたという。　小劇場のオーナー・日比野五十鈴を演じる桃井かおりさんはバレエの経験者。弟を亡くし絶望のふちをさまようすばるにバレエの世界を教える役柄だ。撮影でも、バレエのシーンはしっかりチェックしたという。　桃井さんはバレエが未経験だった黒木さんの努力を認め、「努力家だし、愚痴を言わない。愚痴ったら、しめちゃうんですけどね」と褒めたたえた。　２人には原作者の曽田正人さんが描いた似顔絵の色紙が手渡された。　すばるのように、何かにチャレンジしていく若い人たちへのメッセージを求められると、黒木さんは「最後まで、やり抜き通してください」。　対して、「役者の１００倍本気でバレエをして、挫折した経験がある」という桃井さんは、「かなわないこともある。やり続けて、思いっきり挫折してください」と手厳しかった。　「昴―スバル―」は３月２０日から全国でロードショー公開される。中国、香港、韓国、シンガポールなどのアジア各国でも公開を予定している。また、主題歌「ｆａｒａｗａｙ」を歌うのは歌手の倖田來未。メーンテーマは東方神起。映画とともに、アジア全土で旋風を巻き起こしそうだ。