31日の東京株式市場は、30日より188円76銭高い、9,693円73銭で取引を終えた。31日の取引について、みずほ証券ストラテジスト・堀内隆文氏の解説です。31日の東京市場は、平均株価、TOPIX(東証株価指数)ともに、大幅反発となった。朝方の売り注文をこなすと、その後は、じりじりと上昇した。朝方から、為替市場で円安方向の動きが進展し、アジア市場で堅調に推移したことなどが、支援材料となったもよう。また、寄り前に発表された4月の鉱工業生産の内容も、事前予想に届かなかったとはいえ、前月比プラスとなったことや、5月および6月についても回復見通しとなるなど、企業の生産設備およびサプライチェーン復旧の動きを裏づけるポジティブな内容となった。しかし、くすぶる国内の政策リスク、米中景気の先行き不安に変化があったわけではなく、5月半ば以降の調整局面における戻り高値、平均株価で9,700円台を回復するには至らなかった。一段の上昇には、不透明要因の改善が必要であるとみられ、週末にかけて発表される米中の主要経済指標の内容を見極める動きが、週内は続くとみられる。