ギリシャ、アイルランドの財政危機など、暗い話題が続くヨーロッパ。しかし、ヨーロッパ随一の経済大国ドイツの年末商戦は、ほかのヨーロッパ諸国の緊縮財政をよそに、近年まれに見る好調さを見せています。年末商戦は、小売業者にとって1年で一番の書き入れ時で、2010年に関していえば、ドイツほど好調な国はないだろう。フランクフルトにある老舗キッチン用品店も、鼻息を荒くしている。キッチン用品専門店のカール・ケラー店長は「来客数は断然、増えていますし、皆、消費に積極的です。ここ10年ほど買い物を手控えていた分、新しいものに敏感に反応しているようです。それもこれも、雇用環境が改善しているためです」と話した。輸出主導型のドイツ経済にとって、個人消費は数年来の課題の1つだった。しかし、失業率が18年ぶりの低水準に改善し、ここにきて、人々は消費に前向きになっている。その勢いは、「サンタクロース用の靴下」に収まりきらないほど大きな自動車など、高額商品にまで及ぶほど。「オペル」のイメルダ・ラベ営業部長は「ドイツを含めヨーロッパ全域で、予想以上の引き合いがあります。12月は労働時間を延長し、クリスマス休暇に入るのは24日からです。年明けも、土曜日のシフトを3つ増やし、需要を見ながら対応していく予定です」と話した。ドイツのお祭り騒ぎは、年を明けても続くとみられる。