任天堂が26日、およそ6年ぶりに携帯ゲーム機を発売した。国内のゲーム市場が縮小する中、今回、大型商品を投入した任天堂だが、ライバル各社もさまざまな戦略で、市場の活性化を目指している。注目のニンテンドー3DSを求めて、東京・豊島区の「ヤマダ電機LABI1池袋モバイルドリーム館」の開店前に並んだ客は800人。購入した客は「帰ってじっくり楽しもうと思います」と話した。眼鏡をかけずに、3Dでゲームを楽しめるニンテンドー3DS。価格は6年前に発売されたDSより、1万円高い2万5,000円。カードを使ったゲームでは、内蔵カメラでカードを映し出すと、実際にはそこにないキャラクターが画面上に現れる。さらに、テレビ番組などのコンテンツを自動的に受信できるなど、通信機能も強化した。その背景には、国内ゲーム市場のある傾向があった。国内ゲーム市場の規模は、過去最高だった2007年から、3年連続の前年割れとなっている。そうした中、新たに人気を集めているのが、アップルの「iPhone」など、ゲーム機としても楽しめるスマートフォンなどの通信端末。アップルによると、「iPhone」や「iPad」など、3機種をあわせた販売台数は、およそ1億6,000万台。無料、もしくは数百円からというお手ごろな値段で提供されるゲームのタイトルも8万本に到達するなど、携帯ゲーム機の強力なライバルに成長している。アップルのスタン・イングiPod担当シニアディレクターは、「(強みは)アップストア。ゲームを探しにお店に行かなくてもいい。わが社には、競合他社よりもはるかに進んだ技術がある」と話した。こうした中、ゲーム業界のもう1つの雄、「ソニーグループ」は、高機能のゲーム機を新たに投入すると同時に、ゲーム機能を強化したスマートフォンも発売する予定で、両にらみの戦略に打って出る。第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏は「(ニンテンドー3DSやソニーの新商品は)間違いなく、ゲーム業界の起爆剤の1つになると。(日本の人口は今後減るので)いかにこれまでゲームをやってこなかった人に、ゲームのすそ野を広げるかと」と話した。ゲーム市場の活性化に向けた各社の競争は、今後もますます激しくなるとみられる。