9日に発表されたレギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均の店頭価格は、前の週より6.5円と大幅に値上がりし、145.5円(7日)となりました。これは、2年5カ月ぶりの高値水準で、過去最高の185.1円もちらついています。このように原油高騰の影響が、生活に大きく広がりつつあります。現状と今後の見通しを取材しました。東京・世田谷区の幹線道路沿いは、都内でも有数のガソリンスタンド激戦区。低価格を競うここのガソリンスタンドでも、今週に入って140円台に突入している。車を運転する人は「最近、遠出はあまりしていない」と話した。一方、お花見の季節の需要も期待される弁当店にも、影響は広がっている。弁当を入れる容器の一部が3月に入って値上がりし、店は、事前に大量に仕入れることで、弁当価格に転嫁せず、しのいでいるが、ガソリン値上がりで配達コストも上昇、食用油などの値上げも追い打ちをかけている。銀座 萌黄亭の佐竹義優常務は「(容器の)ロス率をうまく工夫して販売しないとコストは下げられないんじゃないか」と話した。原油価格は3月に入り、1バレル = 100ドルを突破した。第一生命経済研究所の試算では、1バレル = 100ドルの状態が、4月以降1年間続くと、2人以上の世帯の平均で、ガソリン・灯油の消費額が年間8,727円増え、120ドルになると、1万8,207円増えるという。第一生命経済研究所の主席エコノミスト・熊野英生氏は「最初はガソリン、灯油の値上がりなんですが、これが6カ月くらい続くと、文具・シャンプー・化粧品などに値上げが波及してくる。家計は節約志向を強めて、消費を減少させるおそれがある」と話した。原油価格高騰の長期化は、広範囲に家計に影響を及ぼすことになるとみられる。