政府の緊急災害対策本部によると、１３日午後１０時の時点で、岩手、宮城、福島の３県で８４００人以上が孤立状態にある。発生から３度目の夜を迎えた被災地で、多くの住民が救助を待っている。　避難所が孤立しているケースも少なくない。「町の惨状を早く伝えて」。連絡の取れない人が約１万人いるとされる宮城県南三陸町の職員は、朝日新聞記者にそう訴えた。スポーツ施設に約１千人が避難しているが、食料やおむつ不足が深刻だ。町につながる国道が分断され、物資も届かないという。　一方、１３００人が取り残されていた仙台空港には１２日夜、避難路が通じた。大半の人が１３日昼過ぎまでに、救援のバスで仙台市内などへ移った。札幌市手稲区の川嵜崇宏さん（１５）は、高校受験を終えて帰りの便に乗る間際に、地震に遭った。ポリ袋を体に巻いて寒さをしのぎ、空港で配られたお茶やかまぼこなどを食べて過ごした。「１５日に中学校の卒業式があるから帰りたい。でも、どうやって帰ればいいのかわからない」 　岩手県山田町の船越半島では、約７００人が孤立している。大船渡市では中心街のホテルやスーパーに津波が運んだがれきが押し寄せ、数十人の被災者が、屋上などで救助を待った。