FIFAワールドカップの開催地をめぐる不正疑惑で、FIFA(国際サッカー連盟)は日本時間18日夜、イギリスの新聞のおとり取材で、投票の見返りに多額の金銭を要求した副会長らの活動停止処分などを発表した。スイス・チューリヒで日本時間18日午後7時すぎ、FIFAは会見で、「FIFAが受けたダメージは大きい」、「FIFAは大きな組織で、さまざまな利害がからんでいる。そういうところでは、いろいろなことが起こる」と語った。金銭での票取り引きは、イギリスの新聞記者のおとり取材から発覚した。サンデー・タイムズのウェブサイトで公開された動画の中で、FIFAのテマリイ副会長は「何か具体的なものをテーブルに乗せれば、話し合ってもいい。なければ、忘れてくれ」、「(どれくらいの費用だとお考えで?)1億8,000万円だ」と話していた。FIFAの倫理委員会は18日、投票の見返りに金銭を要求したテマリイ副会長に、1年間の活動停止とおよそ42万円の罰金、アダム理事には3年間の活動停止とおよそ85万円の罰金の処分を下した。2人の理事の処分が発表されたが、FIFAは、具体的な再発防止策を示さず、疑惑報道したメディアへの批判を繰り返した。FIFAは会見で、「われわれは当然、制裁すべき人間に対し、制裁を行わなかった。それは、サンデー・タイムズの記者だ」と語った。FIFAは、前代未聞の不祥事で手痛い失点となった。2018年と2022年の開催地は、この2人を除いた22人のメンバーの投票によって、12月2日に決定する。