大相撲の横綱・白鵬が、昭和の大横綱・双葉山のふるさとを訪ねた。連勝記録に挑む白鵬が、その胸の内を明かした。不滅の大記録が生まれたのは、今からさかのぼること71年。昭和14年(1939年)に生まれた大記録、大相撲第35代横綱・双葉山が残した69連勝。今なお、破られていない不滅の記録を、平成の大横綱が塗り替えようとしている。第69代横綱・白鵬は「今場所のテーマは数字ですからね」、「(相手は)誰でもいいと、そういう気持ちを持つことが大事。どっからでも来い」と話した。62連勝中の白鵬は、このままいけば九州場所7日目に、双葉山が持つ昭和以降最多の69連勝に肩を並べる。白鵬は「あこがれ尊敬する双葉山関の大記録、それを超えたとしても双葉山関と2人しかわからない部分があると思う」と話した。双葉山生誕の地、大分・宇佐市を訪れた横綱・白鵬を一目見ようと、大勢の市民が大集結した。偉大な先輩・双葉山の生家と記念館を訪問した白鵬は、感慨もひとしお。市民の歓迎ぶりにも、心を動かされていた。白鵬は「『69』という数字がありますけれども、超えるかどうかわかりませんけども、角界と双葉山関に恩返しできるように頑張りたいと思います」と話した。市民からは「本当にそばから見たんで良かった。3時間待った」、「やっぱり超さないでほしいですな。双葉山の記録は取っておいてほしい」といった声が聞かれた。連勝がスタートしたのは、初場所の14日目からだった。横綱・朝青龍の引退後、その数字を積み重ねていった。そして秋場所、連勝記録はついに千代の富士の記録をとらえ、歴代単独2位に浮上した。土俵上で圧倒的な強さを見せつけた。さらに自身初の4連覇も達成し、「一人横綱」として突き進む白鵬の前に敵はいない。白鵬は「一人横綱、その責任が自分をまた大きくしてくれたんじゃないかな。ことわざ通り『地位が人をつくる』ってね」と話した。一方、白鵬をモデルにした仏像もお披露目された。心の中をイメージして作成されたという仏像を見た白鵬は、「心の中には闘志がありますから。そうじゃないと、この地位は張っていけませんし」と話した。子どもたちからも好かれる大横綱・白鵬が今、不滅の記録に挑む。