エコに加えて節電意識も高まる中、電力の可視化が始まっています。家庭で使っている電力の料金がリアルタイムで分かる新サービスなど、この夏の節電最前線を取材しました。奈良県の丹羽さん宅には、最先端の節電支援サービスが導入されている。よく見てみると、キッチンに赤い眼鏡が映し出された小さな機械があった。丹羽 悠記子さんは「今は、1時間に27.6円消費されています。きょうの実績としては、142円。目標のペースは347円なので、半分近くまで、きょうはもうお昼で使ってしまっていますね。ちょっと、きょうは多いです」と話した。悠記子さんは、スラスラと電気料金を読み上げた。この機械は、現在使っている電気料金などを、リアルタイムで見ることができる端末で、その名も「エコメガネ」という。丹羽岳司さんは「やはり、かなり意識というのは高くなりました。先月よりは、翌月の方がいいようにと思うようになりますし、毎日毎日、見直すようにはなりましたね」と話した。見えるようにすることで、節電を意識させる。これは、NTT西日本とオムロンが設立する新会社のサービスで、正式なスタートは7月からだが、すでに多くの問い合わせが来ているという。NTT西日本サービスクリエーション部の辻本 格さんは、「1人ひとりのご家庭で、自分たちの使う量を何とかしなきゃならないっていうのが、やはり皆さん、お感じになられていると思いますので」と話した。丹羽さん宅から東へおよそ370kmの神奈川・横浜市。空調機器大手「ダイキン」のサービスマン・黒田直樹さんは、横浜駅周辺の現場へ作業に向かっていた。黒田さんは「この作業自体は、普段はやらないですね。やはり快適性を損なうので」と話した。普段はやらないという黒田さんが行っている作業は、いわば節電設定への変更だった。空調機の能力を80%までに抑え、室内の温度が設定温度に達するまでの時間がかかるようになった代わりに、消費電力を抑えられるという。この有料で設定変更を行うサービスは、もともとあったものだが、これまでは知る人ぞ知るサービスで、利用者も少なかった。黒田さんは「去年(2010年)に関しては、ないですね。ことし(2011年)に入ってから」と話した。震災後の電力不足の懸念を受け、ダイキンは200人態勢のチームを発足し、東京電力管内の顧客を回り、設定変更を呼びかけるプロジェクトを始めると、利用者が急増したという。ビルのオーナーは、「日本...