（動画制作・提供＝NPO法人国際レスキューシステム研究機構、千葉工業大学　未来ロボット技術研究センター、東北大学　大学院情報科学研究科）　大地震や化学テロの災害現場で人命救助などに活躍する新しいレスキューロボットが２８日、千葉県習志野市の千葉工業大で報道陣に公開された。階段やがれきをものともせぬ走破性は世界最高レベル。ほこりや水に強く、危険な化学物質に汚染されてもすぐ洗い流せ、実用向きだ。　ロボットの名前は「Ｑｕｉｎｃｅ（クインス）」。戦車のようなベルト状のクローラー２本が長さ６６センチ、幅４８センチの車体を覆う。車体の四隅から腕のように自在に動かせる車輪が伸び、これらを駆使して悪路を走りこなす。三つのカメラと照明がついており、無線で遠隔操縦する。スピーカーで声をかけながら生存者を探し、マイクを通じて話ができる。レーザー式のセンサーをつければ、現場の立体地図も描ける。　阪神大震災をきっかけに、研究者らがつくったＮＰＯ「国際レスキューシステム研究機構」と千葉工業大、東北大が、約２億円をかけて共同開発した。５月から千葉市消防局に貸し出す予定で、東京消防庁や神戸市に貸すことも検討しているという。（小宮山亮磨）