子ども手当をめぐる迷走が続いている。政府は、2011年度の支給額について、3歳未満のみ7,000円引き上げる方針を決めたが、財源の1つとして検討されていた高額所得者の配偶者控除の廃止は見送られる方向となった。2011年度予算編成の焦点となっている子ども手当の支給額で、政府は先週、3歳未満の子どものみ7,000円引き上げて、2万円にする方針を決めたばかり。引き上げには、およそ2,400億円の財源が必要だが、政府内で検討を進めていた配偶者控除への所得制限には、民主党内で反発が強く、見送る方向で調整することになった。引き上げの財源には、このほか、成年扶養控除や相続税の見直しなども検討されているが、必要な額を確保することは困難な状況で、引き上げ額を7,000円から4,000円に圧縮する案も出ている。しかし、国民の関心の高い子ども手当で、一度決めた方針を撤回することは、政権への深刻なダメージにつながるという見方もあり、政府は慎重に調整することにしている。