菅首相は、被災者の生活支援などに絞った小規模の補正予算案を7月中に取りまとめる意向を表明し、民主党内から出ている「月内退陣論」をけん制した。菅首相は、追加の補正予算を1次補正を補う「1.5次補正だ」と表現して緊急性をアピールし、当面の続投にあらためて意欲を示した。菅首相は「できれば7月中にでもですね、1.5次補正とでも呼べるような、現在の1次補正に盛り込みきれなかったもので、急ぐものを盛り込んでいく」と述べた。菅首相は、被災者の二重ローン対策などを盛り込んだ小規模な補正予算案を、7月中に取りまとめる意向を表明し、14日朝の閣僚懇談会でも、野田財務相に7月初旬の提出を目指すよう指示した。また菅首相は、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が全量買い取る特別措置法案を、今国会で成立させる意向も示し、続投への意欲を強調した。仙谷官房副長官らが主張する特例公債法案成立と引き換えの月内退陣論をけん制する側面があるが、北沢防衛相が「補正予算を編成した人が、成立まで対応すべき」と述べるなど、8月ごろまでの続投を擁護する意見も出ている。自民党の石原幹事長は「この時期に、このタイミングで編成を指示するということは、延命のためと思わざるを得ません」と述べた。しかし、野党側は反発しており、民主党内からも、「ただの延命策だ」といった批判が多く出ており、早期退陣を迫る勢力とのせめぎ合いは激しさを増している。