タイの首都バンコクの騒乱を取材中に銃撃されて死亡したロイター通信日本支局カメラマンの村本博之さんの遺体が１３日午後４時前、日航機で成田空港に到着した。　現地入りしていた妻恵美子さんは、ロイター通信日本支局のシニアプロデューサー、オリビエ・ファーブル氏（４２）を通じてコメントを発表。「世界中にいる彼の友人からもたくさんの励ましの言葉をいただき、改めて彼がどんなに友人から愛されていたのかを実感しています。彼を失った悲しみはあまりにも大きくうまく言葉にすることはできませんが、２人の娘の母としてしっかりと気持ちを引き締めなければと思っています」と思いを語った。　遺体に付き添ってきたファーブル氏は成田空港で、村本さんが最後まで使っていたテレビカメラを抱えて報道陣の前に現れた。村本さんの様子について「無精ひげをはやして少し顔が日焼けした以外は、出る前の村本と変わらない、ただ眠っているような、安らかな顔だった」と話した。「家族は耐え難い苦しみを気丈に受け止めているようだった」という。　ファーブル氏は村本さんと１５年来の同僚。「娘思いのお父さんで、会社にも娘を連れてきて『ここでパパは仕事をしているんだよ』と誇らしげに言っていた」と涙ぐみながら思い出を語った。　日本支局のネルソン・グレイブス編集局長は、取材時の安全確保の取り組みの再考を示唆した。