為替問題などを議論するG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)は、韓国で2日目の議論を行い、23日夕方、閉幕した。G20は23日午後に協議を終え、今回の議論の焦点となった通貨安競争に自制を求める共同声明を採択して閉幕した。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)韓国企画財政相は「わたしたちは意味のある結果を生み出すために議論を尽くしました」と述べた。自分の国の輸出に有利な通貨安を誘導する「通貨安競争」の回避が最大の議題となった今回のG20。共同声明では、各国に「競争的な通貨切り下げ」を自制する内容が明記された。その一方で、22日にアメリカが2015年までに各国の経常収支の黒字・赤字に数値目標を設けることを提案したが、複数の国から慎重意見が出て、共同声明に数値目標は盛り込まれなかった。今回のアメリカの提案は、巨額の貿易黒字を抱える中国をけん制したもので、11月に韓国・ソウルで行われるサミットに向けて、米中両国を含め、いかに実効的な国際協調を構築するかが課題となる。日本にとっては、G20の合意に通貨安競争への自制が盛り込まれたことで、為替介入に踏み切るのが難しくなるものとみられ、週明け以降、難しい対応に迫られるとみられる。